2011年04月23日 16:03
川崎F 1-2 仙台 (14:05キックオフ/等々力/15,030人)
得点者:37' 田中裕介(川崎F)
73' 太田吉彰(仙台)
87' 鎌田次郎(仙台)
スカパー!再放送 Ch185 4/24(日)後07:00~
●手倉森誠監督(仙台):
「終わった後、感極まって涙が出てしまいました。あの、ホントにここに辿りつくまでゲームがスタートしてみないとわからない、という状況で終わってみれば最高の勝ち方で、勝点3を取れたという所に感激しています。今日のゲームは、チームで話をしたのは、『とにかく注目されているゲームで、注目されているチームとして、こうやってアウェイからスタートするのは我々のアドバンテージである』という話をしました。それにはやっぱりアウェイの戦い方をきっちりする事。コレクティブに手堅い守備から隙を突くというやり方を、心がけてやれたからです。もしこれが逆のホームの立場であれば、もっと果敢に行かなければならなかっただろうし、そういった意味でイケイケにならないゲームになったのはアウェイでスタートできたからかなと思います。
先制点を取られて、2点目を取られていれば本当に厳しいゲームになっていたと思いますが、体を張って、最少失点で抑えて、追いつけた時の、チームに勢いが生まれてサポーターの後押しもあって、東北の、被災地の我々のチームに対しての日本全国からの思いというのがね、あのボールに乗り移って、勝たせてもらったのかなと思います。
本当にいいスタートが切れたので、これをやり続けていきたいと思います。以上です」
Q:公式戦で初めて4-3-3を試したことの手応えと、ベンチに田村を含めてボランチができる選手を4人入れたところの狙いは?
「まず今日は、本当にチームの連動性、流動性を表現できるのかどうかを試したかった。強い相手に対して、それが通用すれば自信になるだろうし、通用しなければ4-4-2に戻せばいいかなというくらいの気持ちでね。そうなったときにボランチの役割が非常に高くなる。アンカーになるのか、両サイドでどんどん攻撃に絡まなければならないのか、というところで。で、基本的にフロンターレを相手にする時は、守備で追い回さなければならないという事を考えれば、そこは消耗する場所かなと。今日はそういうメッセージも込めて、ボランチ全員をメンバーに入れました」
Q:中島裕希を入れてから2トップのような形になって、そこから流れが変わったように監督はお思いでしょうか?
「ワントップ、赤嶺でどこまで行けるのかが今日のポイントでしたね。2トップになるのは、一応ビハインドだったり0-0だったりした時にも、仕掛けのポイントとして中島にもそういう話をしていた。ちょっと相手のCBが赤嶺に対してもファールが多くなってきたのが見えてきたので、それを2トップにしたらもしかしたらバイタルエリアでFKもらえるかなと。それでスイッチを入れました。2トップにしました。少しは混乱させることが出来たかなと思います」
Q:太田選手の具合はどこを痛めているのでしょうか。
「足が吊っただけです。あそこまで来ると残りの時間を考えれば、足を吊ってる選手よりも元気にボールに行ける選手の方が大事になってくるので、そこで富田を入れて、やりました」
Q:試合前に川崎Fのサポーターが、フラッグを用意してくれていたんですが、そちらの感想をお願いします。
「ホントに、ここに辿りつくまでにいろんなチームの支援、そういった支えがあってここにこれて、今日の試合の雰囲気もどういう状況になるかわからないという中で、もともとフロンターレのサポーターとベガルタのサポーターが非常にフレンドリーだって話は知っていましたし、ただ、その友好的な所にボクたちがすこし寄りかかってはね、やばいなという気持ちもありながら。だけど非常にいい雰囲気でゲームをさせてもらったので、本当に雨風あってもそういった雰囲気を作ってくれたフロンターレの関係者に感謝しながら次のゲームに進んでいきたいなという思いです」
Q:東北の被災地を勇気づける勝利になったと思いますが。
「ホント、試合が終わった時にうちのチームには、はっきり言って宮城県人が大久保、東北人の菅井とか数少ない中で、オレも青森県人の東北人で、ベガルタに居る選手が本当に東北のためにやってくれたという、風に考えたらなんか涙が溢れてきたので。ホントにこういった勝利をね、でこういった戦い方を続ける事が本当に、一日でも早く東北が元気になればいいと思うし、自分たちがこうした戦いを一生懸命に続けてね、少しでもいい順位に付けられれば、そのシーズンが終わった頃の東北というのがね、限りなく進んでいると思うし、お互いにそういう事を常に意識した一年にしていきたいと思います」
●梁勇基選手(仙台):
「得点時のFKは練習から良くやっている形で、あそこら辺に誰かが飛び込んでくることは分かっていたのでニアに引っかからないことだけ集中して蹴りました。次郎が飛んだので驚きました(笑)前半は雨でスリッピーな感じでボールを落ち着かせる部分がなくて縦縦になってしまっていた。ハーフタイムに前線にためを作って押し上げる時間を作れればと話をした。先制されたことで、自分たちが前に出て点をとりにいくしかなくなったことが明確になったので結果的には良かった。体力的には出し惜しみして90分出るのではなく、出し切って控えの選手に代わった方がいいと思っていたので温存はしていませんでした。皆が喜んでくれたし、笑った顔とかを沢山見られたのですごく嬉しかったです。キャンプの時から勝って帰ると思っていたので実現できて良かったです。次のホームも大事な試合になる。今日勝ったことで注目も集まると思うしいいプレーをしていい結果を出したい。(次は楽天もホームで同じ日に開催なので)野球とサッカーというスポーツを通して、東北、宮城、仙台に元気を与えられればと思います」
●鎌田次郎選手(仙台):
「何が何でも勝ちたいという気持ちがあった。アウェイなのにあんなにサポーターが来てくれたし、川崎Fのサポーターも温かかった。リャンさんからのFKは何度もあったので、決めたいと思っていた。同点だったし、時間も時間だったので点を取れれば勝てると思った。どんなことをしてでも勝点を持って帰るつもりだった。日本全国からサッカーを通じての支援の和を感じました。ホームでもアウェイでも気持ちは変えずに次のホームの試合に臨みたいです。震災後初のゲームだったので注目されるのは分かっていたので、そのことは監督からも話があったので心の準備はできていた。チーム一丸となってやったことが結果につながったと思う。今日の勝利で何かを感じてもらえればと思っていました」
●斎藤大介選手(仙台):
「球際の強さとか落ち着きをもたらすプレーをしようと思った。限られた時間でも役割を意識して出ました。何よりも勝てたので、次に繋がる勝ちになったと思います。震災後初のゲームで勝つことで仙台の人たちの力を与えることができたと思うし、今日のように最後まであきらめないプレーを心掛けていくことで勇気付けられたと思う」
●関口訓充選手(仙台):
「サポーターがアップの時から全てのコールをかけて歌ってくれていたのでこういう気持ちが自分たちに伝わって来た。来れなかった人たちも沢山いると思うが結果を聞いて喜んでくれていると思う。こういう人たちのために戦いました。得点はラッキーだったかもしれないが、それが自分たちの執念だったと思う。ハーフタイムで円陣を組んだときに、勝って仙台に帰ろう!と声をかけた。震災から今日の勝利までは絶望から希望の光が見えてきてる感じでしょうか。試合が終わった後に、アウェイまで応援しに来てくれた人とかを見て泣きそうになったが、涙はシーズン終了後に良い結果が出た時に流したいと思います。今日の勝利は勝点3だが、この勝点3はとてつもなく重い勝点3になったと思います」