低燃費 ゴルフ登場~
フォルクスワーゲンから最新DGS搭載のゴルフTSIが登場~
7速DSGを採用したことにより燃費が向上です。
今後さらに日本車と欧州車の燃費競争が激化しそうです
歴代最高の好燃費 ゴルフTSIトレンドライン登場
フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンは17日、小型車ゴルフの低燃費モデル「ゴルフTSIトレンドライン」を発表、全国で販売を開始した。歴代フォルクスワーゲン車の中で最高の好燃費。「走りの楽しさと環境性能を両立させた新時代のガソリン車」という。
1.4リットルの新しいターボエンジンを搭載し、最高出力90kW(122PS)を実現。ターボとスーパーチャージャーの両方を搭載している140PSの従来モデル(TSIコンフォートライン)に、出力ではやや及ばないものの、エンジン全体で14キロの軽量化を図り、燃費の向上につなげた。
ミッションは新開発の7速DSGを採用した。クラッチを湿式から乾式に変え、オイル回路などの構造を簡素化して、ミッション部で23キロの軽量化に成功。ギアは従来の6速から7速にすることで、高速走行時の燃費も大幅に改善している。
このため10・15モード燃費はリッター15.4キロと、国内で発売された歴代フォルクスワーゲン車の中で最高という。VWジャパンのゲラシモス・ドリザス社長は「ガソリンなど身近な生活物資が値上がりし、日本の消費者は生活防衛意識を高めている。燃費のいいクルマに買い替えたい、というユーザーは多い」と、新モデル投入の狙いを説明する。
一方で、新ミッションの1速ギアは従来よりローギア側に設定され、発進性能が向上している。低回転から高出力を発揮するターボエンジンは、従来の上級モデルに搭載されていた2リットルエンジンを上回る加速性能を持つ。「走りの楽しさと低燃費を高い次元で両立させた、新しい時代のガソリン車だ」(ドリザス社長)という。
希望小売価格は248万円(税込み、諸費用別)で、「TSIコンフォートライン」より41万円安く、入門モデル「ゴルフE」に比べても3万円高におさえた。
【主要諸元】全長×全幅×全高:4205×1760×1520mm、排気量:1389cc、エンジン:直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ、最高出力:90kW(122PS)/5000回転、最大トルク:200Nm(20.4kgm)/1500~4000回転、ハンドル:右
日本のCVTに対してヨーロッパのDSG、どちらが燃費と走行性能に優れるのでしょうか?
それを決めるのは購入されるユーザーの方の判断ですね
燃費は変速機が命!
http://ke1224.hamazo.tv/e1235190.html
シフトチェンジが、素早く、無駄なく、簡単に
DSGの正式名称は、「ダイレクト・シフト・ギアボックス」という。クラッチペダルのない、オートマチックミッションの一種で、5年前、フォルクスワーゲンが世界で初めて一般車に採用した。アウディにも採用されており、「Sトロニック」と呼ばれている。
通常のオートマチックミッションとは違い、DSGにはマニュアルミッションと同様のクラッチがある。だがクラッチペダルはなく、ドライバーの代わりにミッションがクラッチ操作を行う方式をとる。つまり、ドライバーはシフトレバーかステアリング付近のスイッチを操作するだけでいい。これは単純にクラッチ操作を省いただけのセミオートマチックとは違い、ギアの選択を自動的に行うDレンジモードもある。クラッチペダルがないので、オートマ限定免許での運転が可能だ。
DSG最大の特徴は、クラッチと出力軸が個別にあることだ。通常のミッションでは1本の出力軸をすべてのギアが共有するが、DSGでは偶数ギア用の出力軸と奇数ギア用の出力軸を分け、それぞれにクラッチを配している。通常のミッションでは、1速ギアでの走行中に2速ギアはシンクロしていない。シフトアップするにはクラッチを切り、ギアを1から2に変更し、クラッチをつなぎ直す必要がある。これに対しDSGでは、1速で走行している間の2速ギアはもう片方の出力軸を使ってシンクロが終わっており、クラッチが切られた状態で待機していることになる。だから、シフトアップは1速側のクラッチを切ると同時に2速側のクラッチをつなぐことで行われる。ちなみに、2速での走行中は、片方の出力軸で1速と3速が待機している。これはギアの切り替え作業の一部を事前に済ませておくやり方なので、通常のミッションに比べて短い時間でシフトチェンジでき、0-100km/h加速などの性能を向上させる効果がある。もともとは80年代のポルシェのレーシングカー用の技術であったものなのだ。
さらにトルクコンバータを使用していないので、エネルギーの損失が少なく、燃費やエミッション性能に優れる特徴を持っていることも書き添えたい。DSGが登場した頃は、ブレーキを離すとクルマが動いてしまうといったクリープ現象がない点や、発進もトルクコンバータ式と比べて唐突感が強いなどの指摘があった。しかし現在はすべての問題をクリアし、トルクコンバータ式と変わらぬ操作が可能になっている。
誕生から5年の間、DSG装着車の比率は上昇を続けていて、パサートヴァリアントなどは昨年販売された新車の28%がDSG装着車であったという。市場からの支持はこれからも続くと見込んだフォルクスワーゲンは、既存の6速DSGの増産と同時に、小型車向けの新型7速DSGの投入を決定した。■フォトギャラリーはこちら 乾式クラッチと7速ギアの採用で、燃費が向上
これまでの6速DSGは、クラッチがオイルに浸された湿式クラッチを採用していたが、新しいDSGではクラッチをオイルに浸さない乾式(通常のマニュアルミッションと同じ方式)に変更されている。これにより、従来は内部に6L使われていたオイルが1.7Lで済むようになり、大幅な重量低減が可能となった。また、素材の変更やシステムの小型化なども行われたため、ミッションの重量が従来の93kgから70kgへと減少し、燃費向上やエミッション減少に貢献することになった。
今回決定された7速に多段化したことによるメリットは、エンジンスピードや負荷など、より細かい制御が可能になったことである。より適切なエンジンスピードを得られることは、スポーティな走りを支援するだけでなく、燃費やエミッション性能の向上にも役に立つのだ。開発チームの検証によれば、この7速DSGを装着したゴルフTSI(122ps仕様車)の燃費は、6速マニュアルミッション装着車に比べて0.2L/100km向上して5.9L/100km(16.94km/L)を記録しているという。
7速DSGは小型のため、最大トルク250Nm以下のエンジンでなければ組み合わせられず、当面はゴルフ、ゴルフヴァリアント、ゴルフプラスのTSI(90kW)またはTDI(77kW)搭載車に限って装着される。しかし、これらの車種は販売台数が多い。Kasselにある生産工場では、現在は750機/1日で準備されている生産体制を、なるべく早い期間で1500機/1日にするという。同時に6速DSGの生産も増産し、DSG全体の需要拡大に対応する方針だ。フォルクスワーゲンのDSGは増加の一途を辿るようだ。
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